奥秩父 ;  小川山
 (おがわやま2418.3m)
 廻目平のMMLの3周年オフミに夫婦で参加してきました。オフミ山行は金峰山かクライミング。金峰山は登ったことがあり、RCよりは歩きたかったので、私達の山行は1日目御座山天狗山、2日目小川山にしました。
 オフミ2日目は金峰山組、クライミング組、その他山行組に分かれました。私達はその他の小川山。でも小川山は樹林帯の中を歩くだけで山頂の展望もないと聞かされ、だんだんと登る気が萎えてしまいました。磯野さんは御座山に変更、やまんどさんは金峰山へ。ふられてしまった(;-;)私達は二人で小川山に向かいましたが、夫の足の調子が分からなかったので、かえってよかったかも知れません。
 小川山は思った以上に気持ちの良い山でした。道を間違えるという、またもや大きなドジを踏んでしまいましたが、それだけにより記憶に残る山になりました。

 H11年5月30日(日)・快晴 ; Member.2名(夫婦)


【登山道】右
苔におおわれた樹林帯、清々しい。

【コース】
廻目平(1560m)8:00発〜展望台9:10-25〜11:00(一人で山頂へ)小川山山頂(2418.3m)11:25-50〜ロスタイム1時間〜再び山頂12:50〜昼食13:30-14:00〜展望台14:30〜廻目平15:15

(登り3時間30分、下り1時間55分)


 廻目平5時起床6時朝食の予定だったが、昨夜の就寝が12時過ぎだったためちょっと辛かった。車中泊だったため片づけてからみんなの所へ行く。既に昨夜の残りの鍋は温められていた。起きた順に朝食を済ませ、片づけを始める。五郎山へ行くという杉浦さんは既に出発し、金峰山組は7時に出発していった。磯野さんが御座山組に変更し、やまんどさんも金峰山組に後から合流すべく出発したため、小川山は結局私達二人になった。

 昨夜は早めに寝た夫だったが膝の痛みは残っているようだ。様子を見ながら歩いてみようと出発したのは8時。登山口を入るとここはマイヅルソウが群生、白い花を咲かせていた。天気は快晴で樹の間から射し込む太陽が森林の中を終始明るくしてくれていた。小川山はコースタイムが長く、樹林の中を歩くだけで展望も悪いからとオフミでの評判がよくなかった。イメージがダウンして行くばかり。ところが天気と気候がそのイメージを取り払ってくれた。森林の中は明るく涼しい。

 はじめは緩やかな登り、そして徐々に急になる。岩をよじ登るのも楽しい。気づかないままカモシカコースへの分岐を通り過ぎてしまったが、気をつければ分岐点に書かれているので分かる。ただしこのカモシカコース、ここまでの登りをハイキングと思ったらひどい目にあうだろう。

 右に唐沢ノ滝を眺めながら岩場の道を行くと明るい展望台にたどり着く。そこで岩の上に乗り休憩。南にはRCのゲレンデになっていると思われる岩峰がそびえ、その後方右手に朝日岳や金峰山が見える。そこから小川山を眺めるとなだらかな山容だ。そう遠くはないように見える。夫の足の様子を聞くと、もう少し行ってみると言う。

 登山道に下り、再び先に進む。周りにはシャクナゲの花が沢山咲いていた。見通しの良い明るい道からいよいよ樹林帯に入ると雰囲気ががらりと変わる。大きなコメツガやシャクナゲの林は林床一面に苔がおおって、射し込む陽の光に輝いていた。素晴らしい原生林だ。ところが登山道に大きな糞を見つけた。人のにしては不自然な場所だ。熊かも知れないと二人とも鈴をザックにつけた。いつもはうるさく感じる鈴がこの時ばかりは「もっと響け」と思ってしまう。

 ゆるやかなその登りをしばらく楽しんでいると、途中で夫が待っていると言い出した。やはり足が辛くなってきたようだ。帰りのことを考えて早めに休んでいるという。そこで荷を少し軽くして私一人で山頂に行くことにした。一方夫は少し戻って見通しの良い明るい場所(この前に休んだ所)まで戻る。

 少しピッチをあげて山頂を目指す。歩きやすい道を登っていくと思いがけなく山頂に出た。始めは決して早いペースではなかったのに、エアリアマップより1時間早い。私の地図は1992版で古い。新しいのにはちゃんと出ているのだろうと思いつつ、そのまま一部開けている所から眺めてみた。南西方面の南アルプスと金峰山辺りまでの範囲が見える。木の間越しで90度に満たない展望だが全く望めないと思いこんでいたのでちょっと驚いた。山頂には単独2人、6〜7人のメンバーもいて賑やかだった。

 単独者が一人八丁平方面へ下山していった。その後ろ姿を見ながらここで私は重大なミスをおかす。下山路が二つ並んでいたため、右が八丁平方面、隣の左が金峰山荘方面と思いこんでしまった。山頂に着いた時振り返ってすぐ確認しておくべきだった。

 そこで話していたため遅くなってしまい、急いでその間違った思い込みのまま左の道を下ってしまった。金峰山荘にはすぐ左に分岐があったがその道も又赤い印がつけられ左へと行く道があった。バカなことに正しい方は「金峰山荘方面」と標識があったのにそこにはついていなかった。そこですぐ気がつくべきだった。

 道が違うらしいというのは間もなく分かった。そこで引き返せば良かったが、夫を待たせているため急ごうと、そこから右へとトラバースしてしまった。どこかで合流すると思ったのだ。ところが完全に樹林帯の中に迷い込んでしまった。周りの風景はシャクナゲの樹林で遮られ全く見えない。現在地を確認しようにも確認できない。わずかな隙間から尾根が見えた。はじめはその尾根が八丁平へ続くものだと思っていた。現在地を確認しようと、折れていた木の上に登って眺める。良く見えなかったが、その場の立地条件から考えてどうやら隣の尾根を下ったらしいと気がついた。また登り直すしかない。迷ったときの鉄則だ。

 そこからの登りは大変だった。シャクナゲの枝は縦横に広がり、その隙間を突進していく。イバラの道でなかったのがせめてもの救いだ。所々に鹿の糞がある。熊に出会いませんようにとときどき「おーい」と声を出し、存在を示す。これで下山はますます遅くなってしまうな、夫が心配しているだろうなと思いつつも、 登りのペースはそれ程急げるわけではない。落ち着いてゆっくりと進むしかない。

 山頂に近いらしいというところでようやく苔蒸した古い登山道に行き当たった。ホッとする間もなく再び道を失う。さてどうするか。先ずは小休止。踏み跡よりはと隙間から見える山を見定める。そこからかすかに金峰山の五丈岩が見えた。そこで小川山山頂の方向が分かり、進んでいくと、さっき見たばかりの山頂に出た。時計を見ると1時間のタイムロス。ピークを2回踏むという珍事。

 そこから再び一気に下り、夫の待つ場所へ。裸になってのんきに日向ぼっこをしていた。そこで食事をしながら事情説明。「ふ〜ん」とやはりのんきな反応だ。だから私は山に来れるのかも知れない。再び一緒に同ルートを下り、廻目平に着いたのは15時15分、早すぎる。やはりエアリアマップを買い直そう。

 テン場には誰もいなかった。下山のメモを残して私達は温泉へ。R141を通り須玉IC手前のたかねの湯。一人1000円。

中央道の渋滞もあり、帰宅は21時半。