八ヶ岳・硫黄岳〜横岳
(いおうだけ2760m〜よこだけ2829m)
目的のツクモグサは満開!お花見山行だったので、写真を撮りながらのんびりと散策!
高山植物は沢山咲いていたが、コマクサは一つも見られなかった。
2週間ほど遅れているという。桜平コースと峰の松目は初めてだったので満足だった。
 H17年6月18-19日(土日)
  天気;晴れ
  Member.3人(木村、石原夫婦)

【コ ー ス】(〜は歩、休憩時間含む) 
桜平4:45〜夏沢鉱泉5:20〜オーレン小屋(テント設営)6:08-7:00〜夏沢峠7:25〜硫黄岳8:33-50〜横岳山頂10:17-11:02〜三叉峰(杣添尾根分岐)11:25〜鉾岳手前で折返し11:40-50〜横岳山頂12:10〜硫黄岳13:10-30〜赤岩ノ頭13:50〜オーレン小屋分岐14:15〜峰の松目山頂14:30-40〜オーレン小屋分岐14:55〜オーレン小屋15:20(テント泊)

【ツクモグサ】

 先週末から週明けにかけて忙しかったものだから一週間が早かった。週末天気が良さそうだということで、前日になってようやく木村さんと連絡をとり、バタバタと行き先やら待ち合わせ時間やら決定。この梅雨時は日程も行き先もお天気次第、お花の開花状態次第となってしまう。

 行き先は八ヶ岳の横岳。目的はツクモグサ。実は二年前にも行ったのだが時期が遅くて見ることが出来なかった。しかしその時偶然木村さんと、赤岳でばったり遭遇したのだった。今回も開花時期を過ぎているだろうと思っていたら、幸いにも見られそうという情報を得、急遽行くことにしたのだが、こうして一緒に行くことになったのも奇縁だ。

 コースは美濃戸にするか桜平にするか迷った。お花見目的でゆっくり歩きたいという点と、まだ行ったことがないというのが魅力で桜平に全員一致で決定。桜平からは日帰りが可能だが、ゆっくりと一泊で行くことにした。

【桜平駐車場】

 前夜発で桜平には22時半過ぎに到着(三井の森を通過すると途中から細い林道だった)。奥まった駐車場の手前から停められそうな所は既にふさがっていた。先に駐車場ありの表示がありそれに従って行くと、十数台停められそうなスペースがあった。幸い一台しか停まっていなかった。手ごろな場所にテントを張って一息ついた後就寝。

 3時半起床。テントを撤収して出発は4時45分。天気は予報どおり晴れそうで一安心。重いテント装備はオーレン小屋までなので気は楽だ。ゲートのある登山口まで下り、沢のほうへ向かうとトイレがあった。夏沢鉱泉までは車が入れる広さの林道だ。小屋関係の車が入るのだろう。

【オーレン小屋】

 夏沢鉱泉の小屋は大きかった。風力発電、ソーラーシステムが備えられているようだ。ここで温泉に浸かってのんびりするのもいいなぁ〜と思いつつ通過。道端には早くも可愛い下草が現れる。眼鏡をかけていないので細かい観察が出来ないが、とりあえず写真を撮ったりしながらのんびり歩く。苔むした登山道にはコイワカガミやキバナノコマノツメ、コミヤマカタバミ、オサバグサなどが咲いていた。

 オーレン小屋に着いてまたまた驚いた。夏沢鉱泉よりさらに大きな小屋だ。収容人数は250名という。トイレは水洗、お風呂(檜風呂)は沸かし湯のようだが日帰りの人も可(500円)。建物がまだ新しく、木の匂いがプンプンした。テン場代は一人千円。水場は小屋の前に豊富に湧き出ている。至れり尽くせりの快適なキャンプ場だ。

 広い方のテン場は大学生が予約済みということで、反対側のテン場にテント設営。荷物が軽くなって嬉しいと言いながら出発した。小屋前の標識には日帰りの人は3時までに下山するようにと書かれている。帰りの高速道路での事故が増えているのだそうだ。

【コイワカガミ】 【キバナノコマノツメ】 【ミヤマダイコンソウ】 【ウルップソウ】 【チョウノスケソウ】
【イワウメ】 【ハクサンイチゲ】 【チシマアマナ】 【キバナシャクナゲ】 【オヤマノエンドウ】

 夏沢峠を経由して硫黄岳へと登る。今年の3月にも歩いたばかりだが、そのときと比べ雪は無くお天気は穏やかだ。山頂に向かう途中にもコイワカガミが咲いていた。途中振り返ると天狗岳も見えてきた。イワウメ、ミヤマダイコンソウ、キバナシャクナゲなども少しずつ現れてきた。

【左から横岳、赤岳、中岳、阿弥陀岳】

 硫黄岳山頂も風がなく穏やかな陽気だった。いつもながら阿弥陀岳から赤岳、これから行く横岳が正面にどっかりと見える。権現岳、編笠山は流れるガスで姿を隠していたが、このあと時折顔を覗かせていた。そこから見える南アルプスの甲斐駒ケ岳にはまだ少しだけ雪が残っている。

 一休みして硫黄岳を下る。ガレた登山道にはコマクサの葉がいくつか見られたが、コマクサの花は最後までついに見られなかった。今年は二週間ほど遅れているそうだ。おかげで今回ツクモグサに間に合ったのだが・・。

 硫黄岳から横岳に向かうと次々に期待の高山植物が現れてきた。こうなるともうなかなか足は進まない。カメラをそっちこっちに向けてひたすら撮る、撮る、撮る・・!花の名前をなかなか覚えない夫もしきりにカメラを向けている。これ何?と聞きながら答えを聞かないまま先に行ってしまうような人だから、さっそく木村さんにツッコミをいれられた。そこでやっと耳を傾けるふりをする夫!

【横岳山頂へ】

 積雪期には歩いていながら夏の横岳は初めてという木村さん。雪山とは違った怖さを感じていたらしく、やや緊張の面持ちだった。そういうものかな?雪山を先に経験していれば、夏山なんて何でもないだろうに・・・と思いつつ、山頂手前の岩場を通り抜けるのは、私とてあまり気持ちの良いものではない。夏の横岳はこれで三回目だったか?鎖や梯子、杭、岩などしっかりつかんで進むが、下は見ないように進んでも足元からゾーッとする。

 横岳山頂でゆっくり大休憩。梅雨の晴れ間とあって、お目当てのツクモグサを見に来る人は多い。さすがに皆さんよくご存知だ。混む時期は避けていた私だが、近頃は人が多くても、のんびりお花見山行も楽しみになってきた。

【横岳山頂】

 ツクモグサはもう少し先まであると途中で聞いていたので再び歩き出した。咲いているところは人がいっぱいいるからすぐに分かる。三叉峰の周辺にも結構咲いていた。ツクモグサはほとんどが西側斜面でほかにイワウメやチョウノスケソウ、ミヤマキンバイ、ウラシマツツジ、コメバツガザクラなどいろいろ咲いている。東斜面は主にキバナシャクナゲだった。なぜかな?

 赤岳はすぐ目の前で、足を延ばせば行けないこともなかったが、目的がツクモグサだったものだから眺めるだけで途中から引き返す。もう一度お花見を楽しみながら横岳へ。やはり人が多い。今度は休憩せずにそのまま通過。岩場はすれ違いが出来ないから待つことが多かった。また足元からゾーッとするような思いを感じながらさも平気な顔をして通過する。

【ツクモグサ】
【お花畑】

 岩場を通過すればあとはのんびり景色やお花を眺めながら行くだけ。その割りに緩やかな硫黄岳を登り返すのもしんどい。荷物を軽くしているのに・・。人間の体というものはどうしてこうも楽に思えず辛いとばかり思うのだろう。

【赤岩ノ頭から峰の松目へ】

 硫黄岳山頂で又少し休み、この後赤岩ノ頭へと下ってから峰の松目へと向かった。赤岩ノ頭から峰の松目のコースは初めてだ。最初のうちはキジ場と化しているところが続き閉口。しかしそのうち静かで気持ちの良い登山道となった。メーンルートではないため人と出会ったのは3人連れと単独の二組だけ。混んでいた山頂ルートとは大違いだ。ここもまた可愛いお花が沢山咲いていた。ヒメイチゲ、ミツバオウレン、オサバグサ、コミヤマカタバミ等々。

 オーレン小屋分岐にザックを置いて山頂へ。空身のため20分のところを15分で行けたが、思ったより急登だった。緩やかな傾斜になって間もなく山頂。展望は開けていないが山頂に着いて満足感があった。一休みしてから下る。途中で右側に下りた所に展望場があり、そこで視界の遮られない阿弥陀岳から赤岳、横岳を眺めることができる。

【テン場へ到着】

 分岐に戻りそのままオーレン小屋へ。静かだったテン場は大学生の団体で賑わっていた。私たちは一番離れた外れに張ってあったが、夜の騒ぎは伝わってきた。

 ビール(350ml¥500)で乾杯!簡単なインスタントの五目ちらしと薬味沢山の蕎麦、チーズや缶詰などつまみで早めの夕食を済ませた。隣のテントの男性が、お風呂は小屋泊まりでなくても入れると教えてくれたので私たちも入ってきた。18時ごろ、夕食時とあって、だれもいなかった。檜風呂はきれいで二人には広すぎるほど。石鹸、シャンプー、歯磨き粉などは使えないが、よく温まりさっぱりした。

 テントに戻ってまだ時間が早いにも関わらず、入浴後の心地よさから早くも眠くなり、18時半には就寝。

 翌日は下るだけなのでのんびり7時ごろ起きようと話していたが、大学生達の声が早くから聞こえていたので私たちも早めに起床。朝食はオープンサンド、コーンスープ、コーヒー。のんびりと寛いで、下山にとりかかったのはまだ7時前。桜平に着き、ナップザックに必要なものだけ移してから入笠山へと向かった。